2005年03月06日

プロローグ

時は戦国安土桃山時代、この日の本(日本)に一人の若者がひっそり暮らしていました。

何か面白いことないかな〜と寝ころびため息をつくと何やら外で賑やかな音が聞こえてきます。

 

あれ、港の方になにやら 人だかりがあるヨ、これ!

小さな高台にある家から飛び出し、見渡す若者。

音は笛や太鼓といった一団を先頭に、まだ幼げな瞳を輝かせた少年達と正装の武士達が列をなしています。

ひときわ目立つ大きな旗には織田木瓜の紋が見えるのです。

なまけ者の若者も、さすがに天下の織田家の旗印はよく知っていました。

まさか、あれって噂の、てん なんだっけ? そ、天正少年使節かぁ?

…どうしてこんな事知ってやがるんだ?というツッコミはごもっとも(^_^;)

織田家の羽柴様家臣の一人が、若者の幼なじみのお兄ちゃんだったのです。

お兄ちゃんは羽柴家の馬廻りとして信頼が厚く、羽柴様を通じて事情通でもありました。

「そういえば、おいらの目も髪も黒くなかったんだよなぁ」

ぽつり呟くと、亡くなった爺様の言葉を思い出しました。

『おまえには遠く異人さんの血が流れているらしい、けれど誰もそれが真実かわからないのだ』

手がかりもなく、暇を持てあます日々の若者はそうだとキッと顔を上げ前をまっすぐ見つめます。

この大きな海の果てに何かが待っているんじゃないかなと

青く穏やかに広がる海と暖かな日差しがさす中を若者は転がるように坂をくだって行きました。

もう気持ちは決まっています。

使節団の出発は明朝とお兄ちゃんに聞いている。

今夜、こそりと船に忍び込もう…。

暗くなるまで普段通りに過ごした若者は、別れ際にお兄ちゃんの家に行きました。 そして、こういったのです。

おいら、海の向こうに行ってみたいんだ

お兄ちゃんはにっこり微笑むと、握り飯と水筒 そして信長様と親交のあるルイスフロイス 神父の手紙を何故か渡しました。

「神父様は南蛮のポルトガルとかいうところの出身らしい、そこに行くといいじゃないかな?」

「お兄ちゃん、この手紙って?」

「俺にもわからねーよ、たまたま馬を引いてると神父様が近づいてきてこっそり渡して 片目で合図したんだよなぁ」

「ふーん」

「でさ、裏に 下手な平仮名でおまえの名前が書いてあって 渡してくださいとあったのさ」

「お兄ちゃん 字が読めるの?すごいや」

「藤吉郎様がな、たまに教えてくださるから 名前程度ならわかるぞ ^^」

そっか よ〜〜し!!

こうして、若者めんたいは無謀さを知りつつも大海原の旅を決意し、星の瞬く夜空の元、 船に乗り込んだのでした。

posted by めんたい at 10:41| 福岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 冒険記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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